概要

ドリブル最優先のミニゲームを行うサッカー練習メニューです。ボールを奪ったら基本的にはドリブルのみでゴールを目指します。
一見すると荒っぽいルールの練習ですが、相手やスペースを見てボールを動かす技術が身に付くので、特にサッカーを始めてから1年以内の選手に非常に有効です。

人数

6人~10人
バリエーションの項で詳しく記載しますが、フィールドプレイヤーの数は6人もしくは8人が適切です。それより少ないとドリブルで抜く相手が少な過ぎ、多過ぎるとボールタッチが減ってしまいます。

対象年齢

小学生低学年◎
小学生高学年◎
   中学生◎
 高校生以上△

ただし効果が高いのは前述の通りサッカーを始めてから1年くらいまでです。逆に3年以上経験のある選手には少し物足りないかもしれません。
選手の顔が上がっていない段階での導入と、顔が上がるようになった段階での卒業を推奨します。

バリエーション

☆パスOK
 最初はパス禁止で行い、「ドリブルゲームではドリブル最優先」ということがチームに浸透したら練習名はドリブルゲームのままで、パスを解禁しましょう。これはパスとドリブル両方を使えるようになることが目的というよりも、パスフェイクをドリブルの選択肢に加えることが目的です。

☆ゴールキーパー付き
 フィールドプレイヤーが3vs3~4vs4でGKが入るパターンです。この形で行うのが理想ですがGKは必須ではないので、GKの練習状況によってはフィールドプレイヤーがドリブルゲームをやっている間にGKは別の練習をやっていても良いでしょう。

☆ミニゴール
 GKを入れずに行う形です。ミニゴールが無ければ赤コーンとバーを使用しても構いません。ただシュートは最低でも膝、出来れば腰程度の高さまで許容しないとゴール前に1人立っているだけで全くゴールが入らなくなってしまうので、出来ればミニゴールを用意しましょう。

☆ラインゴール
 ライン内(下図薄青部)にボールを止めたらゴールというルールです。シュートを打たない代わりにより正確なボール運びが要求されるので、上記2つとは少し狙いが変わります。

コツ

☆ルックアップ
 このゲームは顔を上げてボールを扱えなければ全く上手くいきません。ジグザグドリブルをしっかりと積み重ね、顔を上げてボールを扱えるようになりましょう。ただこれはルックアップが出来なければ練習そのものが無意味ということではなく、ルックアップが出来ていないことを自覚する練習でもあるのでまずはチャレンジしてみましょう。

☆間を抜く
 ボールを持つと必ず複数のDFがプレスをかけてくるので、1vs2、1vs3で間を抜ける感覚を養いましょう。間を浮かせて抜けたり、ダブルタッチやアウトサイドでタイミングを外すことがポイントです。

☆ボールのこぼれる先を読む
 ディフェンスの時はボールにアタックするのも大切ですが、その後ボールがどこにこぼれるかを予測して動きましょう。この練習ではパスが禁止されているので、ボールに触る為には自分で奪い切る必要があります。

指導時のポイント

☆ルックアップのバロメータに
 この練習はルックアップの可否で内容が全く違うものになります。上手く出来る選手、出来ない選手を見極め、練習メニューの構築に役立てましょう。人数が多いチームの場合は、この練習の良し悪しで練習メニューを分けるのも1つの方法です。例として、中学校入学後すぐにドリブルゲームを行い、上手く出来る選手は上級生と、出来ない選手は別メニューといった使い方もあります。

☆アドバイスは程々に
 他の練習でもそうですが、コツに書いてあることを最初から教えてしまうのはやめましょう。この練習は特にアイデアが重要なドリブルを多用するゲームなので、自分で何故上手くいかないのか、どうすれば上手くいくのかを考えてアイデアを出していった方が先に繋がります。