概要
多色ロンド9vs6にゴールを追加して向きと速攻の要素を追加したゲーム形式のサッカー練習メニューです。
ゴールはミニゴールを使用します。通常のゴールでも成立しますがGK練習としてはそれ程効果が高くないので、この練習の最中はフィールドプレイヤーと同様に参加するか、別のGK練習を推奨します。
3人組5チームで行い、3チームvs2チームの構図でゴールを狙います。
スタート時点で3チームの側と2チームの側を指定しますが、ゲーム中にコーチから「〇〇(色名)!」の掛け声で該当チームが相手チームに変化します。
イメージは下図になります。
例:スタート時
攻撃:青・緑・紫
守備:赤・橙
コーチから「紫!」の掛け声
攻撃:青・緑
守備:赤・橙・紫
多数側のうち1色が逆のチームに移動することで、瞬間的に3人の数的優位が逆転します。
ボールを持っていなければ囲んで奪いにいき、ボールを持っていれば優位を利用して一気に攻め切ることを目指します。
人数
15人~
ここまで人数が増えると余り無く2ロット以上作るのは難しくなります。出来るだけビブス交換の手間が減るよう工夫しつつ、参加と休憩を入れ替わりながら行いましょう。
対象年齢
小学生低学年✕
小学生高学年✕
中学生△
高校生以上◎
中学生でも不可能ではありませんが、この練習を効果的にこなせるチームは少ないかと思います。止める蹴るとルックアップが一定以上のチームなのが前提で、6vs3以下のロンドで技量を確認しつつ導入しましょう。
バリエーション
☆ハンドボールパス
足ではなく、ミスが少なくなる手でボールを扱い、ゴールは替わりに選手が立って両手キャッチで1点とします。頭の体操としてウォーミングアップで取り入れてみましょう。
☆同色バス禁止
同じ色へのパスを禁止します。このロンドでは2チームが交互にパスを受けることになります。出来るだけ2色交互になるようなポジションを取るのがポイントです。
☆リターン禁止
受けた相手に戻すパスを禁止します。パスを出したら逃げるように動き、次のパスを読んで再度ポジションを取るのがポイントです。
☆受けた色へのパス禁止
味方が3色以上になって初めて導入されるルールです。3色では必ず同じ色の順番でパスを回すことになります。
☆タッチ数制限
タッチ数を制限します。2タッチ以内・全て2タッチ・2タッチ&ダイレクト交互 等があります。他のルールの思考時間を更に短くします。
☆ダイレクトシュート限定
シュートをダイレクトに限定します。ゴール前で必ず複数人が絡まなければいけなくなるので、よりゴールの難易度が上がります。
コツ
☆常に2つの役割を考える
今すべきことと、自分の色を呼ばれた時の役割を同時に考えておくようにしましょう。
例として「紫」の掛け声直後の図を使用すると、
・Aはボールから遠いので指示を出しつつスペースを埋める
・Bはボールが近いので囲んで奪いに行く
・Cはゴールに近いので奪った瞬間に攻撃の起点となる
といったようになります。
指導時のポイント
☆まずはルールだけを与える
最初からポイントを全て教えず、まずはルールだけを選手に投げましょう。例えば「同色パス禁止」で2本程度やってみてから「どこに立つべきだと思う?」といった具合です。考えながらプレイすることが目的なので、選手が考えるポイントを教えすぎで奪わないよう注意するのが大切です。
☆慣れさせない
「ルールに慣れる」のではなく、「考えながらプレイする」ことが目的です。選手が完全に慣れる前にルールを変更し、次のメニューに移りましょう。バリエーションに記載したルールを入れ替えたり組み合わせたりして、一通り終わったら次のメニューといった具合です。オフェンスが3色以上の場合はより追加ルールのバリエーションが増えるので、ルールを増やすだけでなくあえて減らしたり入れ替えたりするのも効果的です。
☆ゲームを落ち着かせない
慣れさせないことにも繋りますが、ロンドの様に普通にパスが回りそうになったら色の掛け声を挟んで、出来る限りトランジションが続くようにしましょう。シュートに至るのはトランジションからの速攻のみとし、遅攻ではゴールさせないように意識するのがコツです。