概要

フルサイズ11vs11でチーム内練習試合を行うサッカー練習メニューです。
単にゲーム形式練習の1つとして扱うだけでなく、自由の利くチーム内ならではのバリエーションがあります。

人数

22人~
試合を想定するので余りが出た場合もゲームを見学した方が良いでしょう。

対象年齢

小学生低学年△
小学生高学年〇
   中学生◎
 高校生以上◎

ただし、小学生はフルサイズの紅白戦よりも最大で8vs8程度に留めた方が効果的になることが多いです。

バリエーション① メンバー構成

☆AvsB
 最も基本となるチーム分けです。レギュラーをA、控えをBとしてチームを組んで対戦します。特に公式戦前等でチーム全体の連携を確認する場合はこのチーム分けを採用することが多いです。

☆ABvsBA
 連携と戦力バランスのハイブリッドを狙ったチーム分けです。片方がレギュラー攻撃陣+控え守備陣、もう片方が控え攻撃陣+レギュラー守備陣でチームを組みます。

☆ポジション毎ランダム
 ポジション毎に分かれてランダムでチームを決めます。オフ期間等で公式戦が遠いタイミングで恒常的に紅白戦を行う場合のチーム分けです。

バリエーション② シチュエーション

☆1点差でスタート
 片方のチームに1点を与えた状態でスタートします。
リードしているチームはリスクを抑えつつカウンターを狙い、ビハインドのチームはリスクをかけて攻める等、公式戦で多くある1点差という状況でチームの考えを一致させる目的で行います。

☆2点差でスタート
 片方のチームに2点与えた状態でスタートします。主にビハインド側の練習をメインとしたシチュエーションです。
2点を返すには多少の無理が必要となるのでより攻撃的なフォーメーションに変更したり攻撃的な選手を投入したりして、出来るだけ早く追いつくことを目指す時に用いるチームの攻撃的なパターンを身に付ける目的で行います。

☆11vs10
 片側のチームから退場者が出た場合を想定して行います。特にカードを貰いやすく不在を埋めるのが難しいセンターバックやセントラルMFの退場を想定し、一時的なポジション変更やフォーメーションの変更等をとっさに行えるよう準備する目的で行います。加えて11人の側も、意外に点が入りにくくなることの多い数的優位時の攻撃練習になります。

☆残り時間指定
 上記ルールに加えて残り時間を指定します。例えば「2点ビハインド残り20分」、「1点ビハインド1人退場で残り15分」等、試合で想定される状況を指定します。特に他の試合でリカバリーが出来ないトーナメント戦の前にはそれぞれのパターンで意思統一をしておくメリットが大きいです。

☆タッチ数制限
 ロンドとは違い、難易度調整ではなく意識付けの目的で使用します。特にパス練習をメインに取り組んだ後はタッチ数制限によってパスワークとオフザボールの意識を高めてゲームを行うメリットが大きくなります。ただしタッチ数制限のゲームの後には実戦想定でフリータッチのゲームも行うようにしましょう。

指導時のポイント

☆目的をハッキリさせる
 普通にやると11vs11のゲームとしてただ楽しんでしまいがちなので、上記のバリエーション等を使用して目的をハッキリさせましょう。

☆控えチームに一工夫を
 AvsBのチーム分けで行う場合は控えチームに対抗する手段を与えましょう。下記に例を挙げます。
 ・控えチームのみ監督が指示を出す
  監督からの指示により優位性を与えます。特に大会期間等は次試合の相手に近い戦術を用いたり、苦戦することの多い相手を想定したりすると有効です。
 ・控えチームにコーチが入る
  選手よりレベルの高いプレイヤーをコーチとして抱えている場合は控えチームにコーチが入りゲームコントロールをするのも有効です。特に中学生以下は指示やパスワークの中に入ることで動きが変わりやすいので、相手をするレギュラーチームの練習としても有効です。