概要

パスと同時に走り出す動作を入れた実戦的な対面パスを行うサッカー練習メニューです。
15m程度の距離(要調整)で向かい合い、パスを出した選手はそのまま前方に走り対面側の列の後ろにつきます。
パスと同時に走るというよりは、走りながら蹴りそのまま走り抜ける感覚です。
ボールコントロールと同時にランを入れられるので、試合前のウォーミングアップとしてもよく採用されます。

人数

4人~
対面のグリッドに各2人以上が必要です。ただしあまり人数が増えると1人当たりのタッチ数が減ってしまうので、チームで行う場合は調整しましょう。

対象年齢

小学生低学年〇
小学生高学年〇
   中学生◎
 高校生以上◎

単純な練習なので全年齢向けですがパスがしっかりと蹴れることが前提なので、小学生に実施する場合は距離を調整しましょう。

コーン配置

無くても問題ありませんが、ゴーで前進するうちに段々と近付いてしまいやすいので目安として使用します。
距離の目安であれば片側1つずつで問題ありませんが、パスコースの目安として2つずつ配置する方法もあります。

バリエーション

☆タッチ数制限
 通常は2タッチもしくはダイレクトに限定します。ファーストタッチが大事なので、3タッチ以上はミスとみなします。

☆パス&ゴー&プレッシャー
 2タッチ限定の場合に、パス&ゴーで走った選手がそのままレシーバーに向かって走りプレッシャーをかけます。この時のプレッシャーは左右どちらかをハッキリと切り、レシーバーがトラップを逆方向に捌くようにするとより実践的な練習になります。プレッシャー側は足を出す必要はありませんが、細かいステップを踏んでしっかりと止まりましょう。

青森山田高校の対面パス&ゴー

青森山田高校の対面パス&ゴーで特徴的な部分をピックアップしました。下記の動画を参考としています。

☆強いパスでのパス&ゴー(1:37)
 距離は近いですが非常に強く正確なパスを蹴り、2タッチで返しています。ランはジョグ程度の速度ですが、パス・トラップに拘りを持っているのが伝わります。

コツ

☆トラップは止めるのではなく置く
 トラップの際に足元にただピタリと止めてしまうと次のキックがスムーズに出来ません。ボールが流れない程度に身体から離すトラップを目指しましょう。

☆ダイレクトはより丁寧に
 「パス精度は借金を抱える」と表現されることもあるように、パスは精度が下がると次のパスも精度が下がり、ミスが蓄積して味方の負担となります。ダイレクトパスは特にその傾向が顕著なので、より丁寧に狙いを持って蹴りましょう。

☆相手の名前を呼ぶ
 パスを出す側も受ける側も相手の名前を呼びましょう。勉強で読みながら書くのと同じように声を出すことで脳への刺激となり、より正確なパスを通すという意識を高めます。特にサッカーでは受ける側は呼ぶものの出す側は黙っていることが多いですが、この意識が高まることで、失点に繋がるDFラインのバックパス等、試合中のつまらないミスを減らす効果もあります。

指導時のポイント

☆活気のある練習を
 2人組ではなくチームで行うので、通常の対面パスよりも声を出しやすい練習です。出来るだけ声を出すのが当たり前となるよう活気ある雰囲気作りを目指しましょう。