概要
所謂短距離走により走力を鍛えるサッカー練習メニューです。
一定の距離を走ることでスピード(ハイパワー)、もしくは心肺機能(ミドルパワー)を強化します。
人数
1人|
個人でも行える練習です。
対象年齢
小学生低学年✕
小学生高学年△ ※下記静岡学園高校のダッシュを参照
中学生◎
高校生以上◎
厳しさが際立つ練習なので、この練習を小学生に行ってしまうと「サッカー=苦しいもの」という印象を与えることになりかねません。
フォームに問題がある場合等は必要になることもありますが、基本的に小学生は体力も技術もゲーム形式の練習を中心に鍛えましょう。
バリエーション
距離により特徴があり、鍛える要素が変化します。目的に合わせて距離を設定しましょう。本数はどの距離でも10本程度が目安です。
☆30m
試合でよくある短い距離のスプリントの距離です。スルーパスへの抜け出しや対応、ディフェンス時のプレス等です。負荷をかけるよりも早くトップスピードに乗ることが重要になるので、それ以上の負荷を求める場合は筋トレに頼りましょう。ウォーミングアップで心拍数を上げる為に2~4本行うこともあります。
☆60m
ロングパスのレシーバーやオーバーラップとインナーラップ、ダイアゴナルラン等の長めのスプリントで使用する距離です。公式サイズのピッチは横幅が68m、ゴールラインからハーフウェイラインまでが54mなので、どちらかを目安に行うと良いでしょう。
☆100m
回復力(ミドルパワー)を身に付けるのに非常に有用な距離です。公式サイズのピッチはゴールライン同士の距離が108mなので目安にしましょう。回復力をつける練習メニューなので、往路でダッシュ・復路でジョギングといったように回復の時間を作って行うのがポイントです。1日10本を週に3~4回程度で1ヵ月も続ければかなりの心肺機能が身に付きます。ただしかなり厳しい練習なので、チームのモチベーションに自信が無い場合は避けましょう。
静岡学園高校のダッシュ
静岡学園高校の特徴的なスプリントトレーニングを紹介します。
☆ドリブルでのダッシュ
素走りではなく、ドリブルで40m程度のダッシュを行っています。技術を非常に重視する静岡学園らしいトレーニングです。これであれば小学生高学年にも採用出来ますね。
コツ
☆スタートを大切に
サッカーのゲーム中は初速でかなり状況が変わります。自分が速く走れるスタートはどんな体勢なのか、練習から意識して身に着けましょう。
指導時のポイント
☆フォームを重要視する
走るフォームが乱れていると遅いだけでなく疲れやすく、怪我に繋がることもあります。特に左右非対称や骨盤後傾はマイナス要因となるので、気になる選手は個別に指導するようにしましょう。
☆大会期間外に集中して実施する
どうしても疲労が溜まりやすい練習なので、期間を絞って実施するのがお勧めです。特に大会が無い冬や、体力が求められる夏に備えて暑さが本格化する直前等に実施すると有効です。
☆雰囲気作りを大切に
モチベーションが伴わなければ効果が激減してしまう練習です。選手同士は勿論、コーチ陣も合わせて声を掛け合って良い雰囲気でメニューを消化できるように努めましょう。
☆基本的に練習の最後に
大きく疲労する練習メニューなので、原則として1日の練習メニューのうち最後に行います。ただし、疲労時の集中力を身に付ける為、ダッシュの合間や終了後にリフティング等の技術練習を入れるのは有効です。