概要
ゴールを使用しない基本的な形の中では最大ロットのロンドを行うサッカー練習メニューです。これ以上は人数を増やしてもコツや指導時のポイントが同じになります。
長方形のグリッドを使用し、5人で3人のDFを相手にロンドを行います。
サイズは20m×10m程度です。4vs2が出来る程度の技量を前提とします。
4vs2と同様に4辺に1人ずつと、中心付近に1人が入ってパスを回します。
4vs2までとは違い長方形なので、パス回しに「向き」の要素が付きます。オフェンス側は出来る限り遠い側の短編を狙い、ディフェンス側は使わせないように守ります。
人数
6人~
上記の通り6人です。余りが出るようなら休憩を入れても良いですが、それよりはコーチが参加したり3vs1や4vs1等別サイズのロンドを交えて調整した方が効率的でしょう。
対象年齢
小学生低学年✕
小学生高学年△
中学生〇
高校生以上◎
ある程度遠くを見る技術が必要になってくるので、4vs2より難易度が上がります。
4vs2の技量を見て判断しましょう。
バリエーション
☆タッチ数
タッチ数の制限により難易度を調整します。
・ダイレクト限定(4vs1に限る)
4vs2で回せる技量のあるメンバーで4vs2をやると簡単に回ってしまうので、難易度調整として使用します。
・2タッチ以内
最も一般的なルールです。3タッチ以上が必要になるようであれば技量的に不適と判断すべきでしょう。
・ダイレクト、2タッチ交互
ダイレクトの次は2タッチ限定、2タッチの次はダイレクト限定とします。次のタッチ数を常に考えながらのプレイとなる為、ダイレクトとはまた違った難しさがあります。
交互に限定せず、2タッチの次はダイレクトのみ(連続2タッチ禁止)のルール指定もあります。
☆グリッド制限
グリッドのどこでプレイするかを限定します。チーム練習で行う場合は必ず指定しましょう。
・グリッド内限定
グリッドの中でプレイする最も基本的なルールです。
・グリッドライン上限定
オフェンス側はグリッドのマーカー間のみでプレイします。弱いパスを迎えに行くことが出来ないので、グリッド内よりもパスがシビアになります。
・グリッド外限定
オフェンス側はグリッド外のみでプレイし、ボールはグリッド内を通す少し特殊なルールです。グリッドから離れるとプレッシャーは軽くなりますがパスコースの角度が狭くなるので、考える力を養います。
☆DF交代のタイミング
チーム練習で重要になるDF交替のタイミングです。
・タッチ交代
DFがボールにタッチしたらミスした選手と交替します。最も交替が増えるやり方です。
・奪取交代
DFがボールを奪い切るかグリッド外に弾き出したらミスした選手と交替します。浅いタッチでパス回しが続いた場合は交替しません。
・時間交代
DFが奪う形、回数を問わず、時間によりDF交代し順番にDFを務める、チーム練習として行う場合に有効な方法です。強度を落とさないよう1分程度で交代するようにしましょう。
コツ
☆基本は4vs2と同じ
まず4vs2のコツをしっかり理解していることが重要です。リンク先を参照ください。
☆遠い足に強いパスを出す
DFは中央を優先して守るので、長編を使って逆サイドへ振るのが最も基本の形です(下図A→C→D)。ただ狭い中に3人のDFがいるので、パスが弱いと簡単に詰められてしまいます。流れの中でも(下図ではCの右足へ)強く正確なパスを心がけましょう。
☆まずは遠くを見る
逆サイドへ通す意識を持つ上で大切なのは、最初に遠くを見ることです。ボールを持ったらまず一番遠く(試合ではゴール、下図ではD)を見るようにしましょう。理想は遠くを見る過程でそれより近くの選手の位置を確認することです。下図のように、中央が閉じていても近くでパスを回している間に遠くが空く、あるいは遠くを空けることも出来ます。
☆中心の選手を使う
遠く(下図D)へ直接通されるのを避ける為、DFは中央の選手(下図E)へのインターセプトが難しくなります。最も狭くボールを捌くのが難しい場所ですが、中央の選手は勇気を持ってパスを受けましょう。パスを出す側もマークがいるからと避けるばかりではなく、片足でも空いていれば使うようにしてみましょう。実戦でもこの「難しい場所に立つ、難しい場所で受ける」ことが出来るかどうかでチームのパス回しの成否が大きく変わります。逆に言えば、パス回しの上手いチームには必ずこの「狭い場所に立ち、捌く」選手がいます。
指導時のポイント
☆難易度調整に注意
ロンド全てに言えることですが、止める・蹴るの技量が伴わないと効率が下がる練習です。上手くいかなければ対面パスや4vs2に差し戻しましょう。
☆プレス強度が弱くならないように
時間での区切りや罰ゲーム等を活用してDFのプレスが弱まらないようにしましょう。プレスが弱くなると攻守共に練習効率が下がるので注意が必要です。
☆間を狙う、通させない
ロンドというゲームにおいて間を通す・通されることについて特に意味はありません。しかしサッカーの練習として考えた場合、間を通すことはチャンス(ピンチ)に繋がりやすいことを強く意識すべきです。オフェンスは間を狙うよう、ディフェンスは間を通されぬよう罰ゲーム等も駆使して意識しましょう。
☆適切な罰ゲームを
上記の通り強度維持の方法として、特にウォーミングアップの一部として行う場合は罰ゲームが有効です。股下を通されたら、15回パスを回されたらもも上げジャンプ5回等、適当な罰ゲームで活気のある練習にしましょう。間を通された場合はパス本数5回分とする等でリスクを上げ、よりギャップを意識させる方法もあります。