ゾーン・エリアの呼称② ミドルサード

 サッカーにおけるピッチのゾーン分けについての記事です。この記事では『ミドルサード』について記載します。

前・中・後3つのゾーン

 サッカーのピッチを区切る方法の1つとして、前線・中盤・後方を3分割する考え方があります。このうち前線を『アタッキングサード』、中盤を『ミドルサード』、後方を『ディフェンシブサード』と言い、それぞれに違った特性を持ちます。今回の記事ではこの3つのうち『ミドルサード』について書いていきます。

50・70・100とは

 サッカーでよく使用する50・70・100という3つの数字を用いた言葉があります。これは3つのゾーンで目指すべきプレイの成功率を示しており、それぞれアタッキングサードでは50%、ミドルサードでは70%、ディフェンシブサードでは100%の成功率を目指すというものです。
しかし当然のことながら実際のプレイ中に成功率を考えてプレイするようなことは無く、選手は全てのプレイを成功させたいと考えて行うでしょう。なので50・70・100は言葉として理解しつつも、より感覚的に理解しておく必要があります。

ミドルサードでの『70』を感覚的に捉えると

 前述の通りミドルサードで目指すべきプレイ成功率は70%ですが、具体的にどういうプレイで30%のミスが許容されるのでしょうか。これは基本的に『アタッキングサードへの侵入を試みるプレイ』と考えるようにしましょう。例えば前線への縦パスやDFラインの裏を狙ったパス、ドリブルでの持ち出しやマークを剥がすターン等ですね。逆に言えば、ゴールを目指さない様子見のパス等ではミスを極力避けるべきです。つまり簡潔に言うと、ミドルサードでミスが許容されるチャレンジは『攻撃のスイッチを入れるプレイ』と考えましょう。
また、ミドルサードはアタッキングサードとディフェンシブサードの両方と接している為、チャレンジすべき場面とミスが許されない場面の両方があることを頭に入れておく必要があります。少々強引なチャレンジが許されるアタッキングサードや、迷ったら安全な選択に逃げればいいディフェンシブサードと比較して、自身で判断すべき事象が多い、立ち回りが難しいゾーンと言えるでしょう。

FWにとってのミドルサード

 ここからは各ポジション毎の考え方について書いていきます。
まずFWについてですがFWは攻撃時主にアタッキングサードに陣取るので、ミドルサードでFWが仕事をするということはアタッキングサードに居座っていると攻撃のスイッチが上手く入らない場合ということになるでしょう。その為FWにとってミドルサードで仕事をするということは、自分で攻撃のスイッチを入れるというよりもスイッチを入れやすくなるように助ける仕事になります。この場合はミスが許容されるチャレンジではないのでリスキーなプレイを避けて出来るだけシンプルにボールを動かし、本分であるアタッキングサードでの仕事に繋げましょう。

MFにとってのミドルサード

 ミドルサードで最も多くの仕事をこなすのがMFです。相手に奪われないようにボールを動かしながら適切なタイミングで縦にパスを差し込み、攻撃のスイッチを入れます。また、攻撃のスイッチを入れる時には同時にアタッキングサードへ飛び込むことも必要になるので、ボールホルダーだけではなく、オフザボールの動きも含め多くの選択肢を持ってプレイすることが大切です。チャレンジとリスク、質と量といった相反する要素を同時に持てる選手になることを目指しましょう。

DFにとってのミドルサード

 ミドルサードでのDFは基本的にMFの仕事を助けることになるので、基本的に求められる仕事はMFと同じになります。ただし奪われても後方にDFのカバーが期待できるMFとは違い、DFのミスは即失点に繋がる恐れが高い為により確実なプレイが求められます。

ミドルサードを意識したトレーニング

  ミドルサードでの動きが向上するトレーニングの代表例を挙げておきます。

ロンド(鳥かご)
 攻撃のスイッチを入れることに焦点がいきがちですが、ボールを奪われなければそのタイミングは何度も狙うことが出来、失点をすることもありません。素早く的確にフリーマンを探し、正確なパスを通す練習の基本としてロンドは非常に効果的な練習となります。

ゾーン分けゲーム
 こちらは攻撃のスイッチを入れる練習です。アタッキングサードへのパスだけではなく、そのパスのタイミングで誰がどこに走り込むのか、ミドルサードからアタッキングサードへ突入する3人目の動きのトレーニングになります。
 

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