練習を読み解く(FC東京:2023/1/15)

 今回はFC東京の練習動画を2本見ていきます。

練習を読み解く(FC東京:2023/1/11)

【コミュニケーションを取りながら!!】沖縄camp Day3!! 全体練習前[0:36]  全体練習の開始前にストレッチだけでなくエアロバイクを使用している選手がいますね。キャンプ…

前回の記事
【揃いつつある役者たち!!】沖縄camp、Day5!!

ウォーミングアップ①[0:55]

 動的ストレッチに時間をかけてからポールを使用したステップワーク、更にハードル使った動的ストレッチで身体を温めていきます。

シュート練習[2:07]

 GK目線で見るシュート練習です。まずカットインの角度から1本シュートを打ち、直後にグラウンダーのクロスからもう1本シュート。GKが2本共にしっかり構えているので、GK練習としての意図も強そうです。

CK練習[3:23]

 動画として公開されることが非常に珍しいセットプレイのトレーニングです。キッカーは左から右足でインスイング、守備はマンマーク、ポスト前はニアだけ入っていますね。とまぁ普通はこういう情報を渡さない為に非公開になるのですが、何かの布石なんでしょうか。ポイントはクリア後もボールが繋がった時はプレイを継続しているところですね。

ゲームトレーニング?[4:13]

 ほんの一瞬だけ映りましたが、メニューを断定することは出来ませんでした。

PK練習[4:20]

 ここからは自主練習ですね。W杯で話題になったPK練習を数人のFPとGKで行っています。コレもよく公開しましたね。力の抜けた雰囲気とはいえ、情報量は少なくないと思いますが。

【どんどん積み上げていこう!!】沖縄camp、Day7!!

ウォーミングアップ②

 ここから2本目の動画です。[0:48]からのダッシュは注目ですね。重心主体のスタートを意識しているのが分かります。武道(剣道のすり足等)でも使う技術なのですが、動き出しというのは最初に重心を動かす方が手足を先に動かすよりも早く動けます。
例えば右足を右斜め前に踏み出してみてください。右腰を前に滑らせるように動かした流れで右足がついていくと、足だけを動かすよりも早く動けるはずです。このダッシュもそういう感覚を意識したスタートの練習をしているのでしょう。
チームとしてどこまで仕込んでいるかまでは分かりませんが、理解が進むとかなり応用が効く技術です。まぁプロ選手のレベルだと感覚で出来てしまっている選手も割といるとは思いますけどね。

パス練習[0:57]

 動きと「逆回り」という声掛けからしてスクエアパスあたりだとは思うのですが、かなり寄った映像で練習メニューの全貌が見えませんでした。あえて少し無理のあるパスを出しており、トラップがメインに見えますね。

ゴールキーパー練習①[1:59]

 ハードルを跳んでダッシュからダイレクトパス、後方に下がってセービングという流れです。飛び出しからのループシュート対応ですね。ポイントは目線を切りながら下がるスピードとキャッチするか弾くかの判断力です。身体が流れているので、無理をするとキャッチしてもゴールに入ってしまいます。

ゴールキーパー練習②[4:03]

 鋭い飛び出しでのブロックからこぼれ球のシュートストップを意識した練習です。

ゴールキーパー練習③[4:54]

 これも飛び出しての対応から連続するシュートの練習です。徹底していますね。
それから合間に休憩中と思われるFPが見切れてGK練習が続いていることから、裏でFP陣が動画非公開の戦術練習をしているのではないかと思います。

ウォーミングアップ③[7:03]

 この辺りから午後練習ですかね。改めて動的ストレッチから身体を温めます。

ラン&パス[7:20]

 パスを当ててステップを踏み、スピードに乗ったままリターンされたボールをミニゴールへシュート。ウォーミングアップの一貫と思いますが、ハイスピードでのダイレクトパスは見た目以上に難しく、実戦的な練習です。

サイドチェンジ・ロンド[7:50]

 少し離してロンドのグリッドを2つ作り、所定のパス数(おそらく7本)を繋いだら逆サイドを狙います。ボールが逆サイドに移ったらオニのチームも移動し、同様にロンドを繋ぎます。両グリッドにフリーマンが1人入り、それ以外の選手はボールをロストしたらチーム毎にオニが変わります。

攻撃パターン練習[8:33]

 前回の記事でやっていたクロスシュートの応用で、片側でロンドを繋いでからサイドチェンジで逆に振っての攻撃パターンを繰り返しています。直前のロンドに続きロンドとサイドチェンジを意識しており、狭く作って広く使うことを強く意識付ける練習ですね。これをチョップ・チョップ・アザーサイドとも言い、パスの長短で攻撃の緩急を付けることを表します。最近だと人を寄せて人数をかける「オーバーロード」と、あえて孤立させて少人数でスペースを使わせる「アイソレーション」と言うことの方が多いですかね。この時期にこれだけ同じ意図の練習を繰り返しているということから、この攻撃パターンは今季FC東京が目指す形の中でもかなり重要なものなのでしょう。

全体を通して

 正直言って、「こんなに見せていいの?」という感じです。時間は短いのですが、セットプレイや攻撃パターンを読み取れる練習が動画に入っているのは驚きました。それでも動画外の練習はかなりあると思いますが、1月中旬時点とはいえここまで見せてくれるのは記事にする側からするとありがたいものです。開幕までにあといくつ記事に出来るかは分かりませんが、今後の動画も注視していきたいと思います。

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