サッカーで起きるレアな負傷への対応

 今回はサッカーをしていてあまり起きないけれどたまに起きる、痛くてレアな負傷への対応について書いていきたいと思います。事例が少ないので対応を知らない方が多いと思いますが、いざ起きた時の対応として頭の隅に入れておいてもらえば役に立つこともあるでしょう。

足の爪を踏まれた

☆どんな怪我?
 長くサッカーをやっているとたまに起きる負傷です。特に相手が飛び込んでくることの多いドリブラーが負いやすい印象ですね。爪を踏まれてもそれ程痛くならない時は特に問題無いのですが、強い痛みがある時は大抵の場合爪の下で内出血を起こしています。所謂血豆が出来た状態ですね。裸足になって爪を見た時に濃赤~青黒い色になっていて、爪の表面を押した時に強い痛みがあればほぼこの状態とみていいでしょう。この状態だとボールを蹴った時非常に強い痛みがあるので、そのままでは万全のプレイが出来ません。

☆対応
 筋肉や骨、靭帯に全く関係の無い負傷なので、割と即効性のある対応策があります。要は、血豆を潰せばいいのです。少々怖いとは思いますが清潔な針を用意して、爪を少し手前に引っ張りつつ爪の先端側か横から針を差し入れて血豆に穴を開けましょう。爪の中に血豆があると指の肉と爪の間に水が入った状態になっているので、爪の裏側に沿って少しずつ針を入れれば爪の中を刺して強い痛みが出るようなことはありません。ある程度針が入ったら針を抜き、そこから組織液が出てくれば成功です。この状態になれば爪を押してもそれほど痛くないので、爪を少しずつ押して組織液を全て出し切ってしまいましょう。ここまで終わればサッカーをしても強い痛みが出ることは無くなります。

☆その後
 血豆が出来る程強く踏まれてしまうと、残念ながらその時生えている爪は復活しません。やがて爪は白くなり、壊死した状態になります。しかしその頃には新しい爪が下から生えてきているので、ほとんど痛み無く壊死した爪を取り除くことが出来るはずです。新しく生えてきた爪が元の長さまで伸びて、ようやく完治となります。

歯が折れた、歯が割れた、歯が抜けた

☆どんな怪我?
 プレイ中に競り合い等で相手の肘や拳が顔に入ってしまうと歯が折れることがあります。本人がすぐに気付かないこともありますが、多くの場合は前歯が折れるので、周りが気付いたり、歯に痛み(極端な冷感に近い)が出ることで気付きます。単純な接触プレイ以外にもゴールポストと衝突したり、ヘディングの際にスパイクや膝が衝突してしまうことでも起きます。

☆対応
 何はともあれどんな場合も可及的速やかに歯科医へ行きましょう。折れた歯が手元にある場合は乾かすと良くないので、ある程度年齢の子であれば舌の裏に入れた状態で歯科医まで行ってもらえると良いそうです。他の方法ですと歯牙保存液(最近の保健室には常備されてるとのこと)がベスト、ベターで牛乳ですが、可能であれば低脂肪乳がモアベターとのことです。(歯科医の方からアドバイス頂きました。ありがとうございます!) 牛乳等を使用する場合は清潔な紙コップ等があれば理想ですが、難しければ水筒の蓋等を水道水で洗って使用しましょう。対応は基本的に歯の保存さえ出来ればあとは歯科医の言いなりでOKです。

☆その後
 多くの場合、歯が根から綺麗に抜けている場合と、歯が神経に届かない程度の浅い場所で折れてる場合に限り自身の歯で元の形に復旧します。それ以外のパターンでは歯根治療により神経を抜き取って、歯根をそのまま使用した差し歯を作ります。差し歯は保険適用の場合金属の芯と樹脂の被せもので作成しますが、これらの材質は時間とともに色が悪くなってしまうのが難点です。他の方法として値段はかなり上がってしまいますが、保険外治療でセラミックを使用すればこれらの課題は解決します。

瞼(まぶた)を切った

☆どんな怪我?
 状況は歯が折れる時と似ていますが、こちらは衝突よりも掠るような一瞬触れるパターンで起きやすいです。ボクシング等でよくある負傷ですが、割と派手に出血して視界を遮るので、出血中はピッチ外に出されてしまうサッカーにおいては割と嫌な怪我ですね。

☆対応
 一時的な対応であれば、タオル等による圧迫で止血した後に上からガーゼで抑えてアンダーラップ等で頭をグルグル巻きにしてガードしてしまえば試合への復帰は可能です。ただ傷によっては跡が残ってしまうので、痛みが無くても一度病院で処置してもらうことをお勧めします。本人は「痛くないから大丈夫」と言ってしまいがちな怪我なので、周囲の対応が大切です。

☆その後
 跡が残らないよう処置すれば特に後遺症等はありません。元々出血の割に痛みも無いので、気にすることはほぼ無いでしょう。

Follow me!